【登録 2011/10/23】  
[ 詩篇 ]


〈寄稿〉

繰れる

繰れる
繰れづけて
命を繰れて ひきかえに花
横恋慕や
的外れの罵言を

繰れる
生命線の膨張系数
たゆたふ蟻酸の毒素を

深夜の階調と
暗転する航路
繰れてから
魂繰ぐり
白笹の沼を翔ける

繰れながら
鮮血が放尿

繰れる
忘れ菜の血縁や
破爪する 酒精 ( アルコオル )

デモ隊の昂ぷる蠕動
梅雨に散るアジビラや
死線の浮游や

生命原線を脂ぎるア・ラ・カルト
敗北通知書の蒼ざめた朝

繰れて――

繰れる
醒めた記憶庫のさざめき
宇宙を悪意される
鸚鵡の一瞬

繰れる
繰れながら
タブローの系列がおちる
畸型の時間が消えかけて

白光した呪縛に
未来史の断片が
繰れて……

革命闘争が逃走している
黄体ホルモンを過激に繰れる

非在が――
非在が繰れて……

(1972.5.31 PM5:00)
(初出 詩誌『立待』第8号/昭和48年9月刊/発行者・佐藤泰志 1973 )

(C) 紙田彰, Akira Kamita.


[作成時期]  1972/05/31
[初出]  1973/09/01   詩誌『立待』第8号/昭和48年9月